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イタリア料理教室

la mano

マンモーネと平和


イタリア人は家族を大事にする。母子関係は特に濃厚で大人になっても「マンマ(お母さん)の料理が食べられないなら旅行には行かない」と大真面目に言うイタリア人男性も少なくない。そんなイタリア人のことを揶揄して『マンモーネ(お母さんっ子、マザコン)』と呼ぶ。実は私も昨年女の子を産み、働く母を実践中な訳だが、この『マンモーネ』という言葉が何ともかわいらしく思えてきたのである。
笑い話だが、イタリア人男性に「マンマと妻と娘の中で一番大事なのは誰?」と聞くと「当然、マンマ」と迷いなき答え。なぜかというと「妻と娘は死んでも代わりはすぐに作れる。でもマンマの代わりはいない。」という訳である。これには呆れた。
だが時は過ぎ、実際に子供を産んでみると次はこんなことを言ってくれる優しい息子が欲しいとすら思う。子供のため、亭主のためと料理や家事を行うが、愛情なくして毎日できる訳がない。
戦争に強い国は食文化の浅い国が多いと言う。家でも戦地でも同じ様な缶詰やレトルト食品ばかり食べているから違和感がないのである。しかしイタリア人は違う。毎日家でマンマのおいしい料理を食べているから戦地での食生活に耐えられない。戦うのが嫌になり、愛情いっぱいの我が家に帰りたくなる。こう考えると、私の仕事は小さくても世界平和に貢献できているし、うちのかわいいマンモーネが地球を救う日もやってくるのではと娘の弁当をせっせと作る日々なのである。
イタリア料理教室ラマーノ主宰 木村 真美

2007.9.3中国新聞でるた掲載